自身にとってもチームにとっても、苦しく、厳しいハーフシーズンとなった。それでも最後に差してきた光を見失わないためにも、残り2試合を全力で戦う覚悟が、いっそう強くなっている。
明治安田J2・J3百年構想リーグの地域リーグラウンドを締めくくる第18節、FC今治はアウェイで徳島ヴォルティスと対戦した。
3試合ぶりに駒井善成がキャプテンマークを着けて先発した試合は、17分にボランチでコンビを組む梶浦勇輝が負傷で交代。直後に失点してしまう。
チームが態勢を整え直す前にネットを揺らされたことが悔やまれた。だが、そこからチームが発奮したからこそ、前半のうちに同点とし、さらに追加点を奪えそうなチャンスを作ることもできた。
結果はPK戦の末に3-4で敗れ、順位を一つ落として、WEST-Aグループの9位でプレーオフラウンドに臨むこととなった。それでも、攻守に走り続けた駒井にとって、この試合で得た手応えは確かなものだった。
「もちろん危ないシーンも作られはしました。でも最後まで体を寄せて自由にやらせなかったり、練習で取り組んでいる対人の部分を、しっかり試合で出せたと思います。攻撃の面も本当にあと一歩、合わせるだけといった際どいところまで攻めていけたし。だからこそ最後の質という課題は残りますけど、内容的に悪くなかった」
J2、J3が混在する特別大会でグループ10チーム中9位という最終順位が物語るように、苦悩のハーフシーズンだった。途中、監督交代という重大な局面もあった。
駒井自身、横浜FCから期限付き移籍で加入してすぐさまキャプテンを任されただけに、チームの不振に対して強い責任を感じてきたはずだ。さらに4月の監督交代後は、若手によりプレーチャンスを与えたい塚田監督の方針もあって、先発を外れる試合も出てきた。
この半年、荒波の中を、何とか前に進もうと苦闘が続いた。だからこそ、PK戦で敗れたとはいえ、徳島戦でチームが見せ続けたゴール、勝利への執着心に、成長を感じないではいられなかった。
「スタッツにも少しずつ表れてきているし、相手陣地に押し込み、ボールを動かせるようになってきたかな、と。今、塚さん(塚田雄二監督)がやっているサッカーが、着実に出ています。
みんなも試合をこなすことによって慣れてきたというか、シーズン当初の硬さのようなものがなくなってきた。そういうところも重なって、いい内容の試合が増えてきたと思います」
昨年、初めてのJ2で11位と健闘した今治だったが、オフに攻守の主力が多数移籍。特に得点源だったマルクス ヴィニシウス(現名古屋グランパス)、横山夢樹(現セレッソ大阪)が去ったインパクトは大きかった。
2年目の指揮を執る倉石圭二前監督は、守備を強化することによって攻撃力の低下を埋め合わせる方向で、チーム作りを進めていった。だが、結果にはつながらず。4月に監督交代となった。
代わってチームを率いる塚田監督が強調したのが、「まず相手ゴールへ向かうこと。それが原理原則」だ。その浸透を実感した地域リーグラウンド最終節の徳島戦だった。
「大会の前半は、やっぱり圧倒的にシュート数が少なかった。攻撃しても、ゴール前で淡白になってしまったことも否めないです。
今は、相手ゴール前まで行けばやり切ることが求められる中で、しっかりクロスで終わる、シュートで終わるというところを、みんな意識できている。それが、スタッツにも表れ始めているのだと思います」
特別大会も、あと2試合。プレーオフラウンドは単にチームの順位を決めるだけではない、貴重なチャンスだと気を引き締める。
「どの試合も大事です。本当に一つの試合で、選手は自信や何かをつかむことができる。無駄な試合は、いっさいない。経験上、言えることです。
だからこの2試合で、みんなそれぞれが何か良い感触をつかみ、26-27シーズンに持っていければ。そんな試合にしたいです」

プレーオフラウンド第1戦の相手、FC琉球についての分析の共有と具体的な対策は、この1週間のミーティング、トレーニングでなされる。だが琉球を率いる平川忠亮監督が、かつて浦和レッズのチームメートだったことが、自分の中で対戦イメージを膨らませ始めてもいる。
ともにプレーしたのは、平川監督の現役時代最後の3年間の2016年から18年まで。もちろん、浦和一筋で通したレジェンドから受けた影響は小さくはない。
「僕が浦和に行ったとき、すでに37歳だったのかな。あまり言葉で多くを発するタイプではなかったですけど、本当にどんな状況でも、しっかりとやるべきことを、いっさい手を抜かずにやっていた姿をよく覚えています。
カップ戦の出番が多かった中で、試合に出たら絶対に結果を残すんですよね。背中で見せる存在で、同じ右サイドということもあって、いろいろアドバイスをもらったり、今でも感謝しています。自分がそういう年齢に近づいてきて(来月6日、34歳に)、平川さんが率いるチームと戦うことになるので、少しでもいい姿を見せられたら。
平川さんの現役時代を考えると、丁寧につないでくるサッカーというイメージはあります。基本的に、しっかりビルドアップしたいんじゃないかな」
常々、チームのスカウティング情報とは別に、対戦相手の映像をしっかり見てのチェックを欠かさない。大先輩との再会を楽しみにしつつ、一番は自身と今治のチームメートの存在価値をさらに高めるために。万全の準備を整え、試合当日を迎える。
Reported by 大中祐二
明治安田J2・J3百年構想リーグの地域リーグラウンドを締めくくる第18節、FC今治はアウェイで徳島ヴォルティスと対戦した。
3試合ぶりに駒井善成がキャプテンマークを着けて先発した試合は、17分にボランチでコンビを組む梶浦勇輝が負傷で交代。直後に失点してしまう。
チームが態勢を整え直す前にネットを揺らされたことが悔やまれた。だが、そこからチームが発奮したからこそ、前半のうちに同点とし、さらに追加点を奪えそうなチャンスを作ることもできた。
結果はPK戦の末に3-4で敗れ、順位を一つ落として、WEST-Aグループの9位でプレーオフラウンドに臨むこととなった。それでも、攻守に走り続けた駒井にとって、この試合で得た手応えは確かなものだった。
「もちろん危ないシーンも作られはしました。でも最後まで体を寄せて自由にやらせなかったり、練習で取り組んでいる対人の部分を、しっかり試合で出せたと思います。攻撃の面も本当にあと一歩、合わせるだけといった際どいところまで攻めていけたし。だからこそ最後の質という課題は残りますけど、内容的に悪くなかった」
J2、J3が混在する特別大会でグループ10チーム中9位という最終順位が物語るように、苦悩のハーフシーズンだった。途中、監督交代という重大な局面もあった。
駒井自身、横浜FCから期限付き移籍で加入してすぐさまキャプテンを任されただけに、チームの不振に対して強い責任を感じてきたはずだ。さらに4月の監督交代後は、若手によりプレーチャンスを与えたい塚田監督の方針もあって、先発を外れる試合も出てきた。
この半年、荒波の中を、何とか前に進もうと苦闘が続いた。だからこそ、PK戦で敗れたとはいえ、徳島戦でチームが見せ続けたゴール、勝利への執着心に、成長を感じないではいられなかった。
「スタッツにも少しずつ表れてきているし、相手陣地に押し込み、ボールを動かせるようになってきたかな、と。今、塚さん(塚田雄二監督)がやっているサッカーが、着実に出ています。
みんなも試合をこなすことによって慣れてきたというか、シーズン当初の硬さのようなものがなくなってきた。そういうところも重なって、いい内容の試合が増えてきたと思います」
昨年、初めてのJ2で11位と健闘した今治だったが、オフに攻守の主力が多数移籍。特に得点源だったマルクス ヴィニシウス(現名古屋グランパス)、横山夢樹(現セレッソ大阪)が去ったインパクトは大きかった。
2年目の指揮を執る倉石圭二前監督は、守備を強化することによって攻撃力の低下を埋め合わせる方向で、チーム作りを進めていった。だが、結果にはつながらず。4月に監督交代となった。
代わってチームを率いる塚田監督が強調したのが、「まず相手ゴールへ向かうこと。それが原理原則」だ。その浸透を実感した地域リーグラウンド最終節の徳島戦だった。
「大会の前半は、やっぱり圧倒的にシュート数が少なかった。攻撃しても、ゴール前で淡白になってしまったことも否めないです。
今は、相手ゴール前まで行けばやり切ることが求められる中で、しっかりクロスで終わる、シュートで終わるというところを、みんな意識できている。それが、スタッツにも表れ始めているのだと思います」
特別大会も、あと2試合。プレーオフラウンドは単にチームの順位を決めるだけではない、貴重なチャンスだと気を引き締める。
「どの試合も大事です。本当に一つの試合で、選手は自信や何かをつかむことができる。無駄な試合は、いっさいない。経験上、言えることです。
だからこの2試合で、みんなそれぞれが何か良い感触をつかみ、26-27シーズンに持っていければ。そんな試合にしたいです」

プレーオフラウンド第1戦の相手、FC琉球についての分析の共有と具体的な対策は、この1週間のミーティング、トレーニングでなされる。だが琉球を率いる平川忠亮監督が、かつて浦和レッズのチームメートだったことが、自分の中で対戦イメージを膨らませ始めてもいる。
ともにプレーしたのは、平川監督の現役時代最後の3年間の2016年から18年まで。もちろん、浦和一筋で通したレジェンドから受けた影響は小さくはない。
「僕が浦和に行ったとき、すでに37歳だったのかな。あまり言葉で多くを発するタイプではなかったですけど、本当にどんな状況でも、しっかりとやるべきことを、いっさい手を抜かずにやっていた姿をよく覚えています。
カップ戦の出番が多かった中で、試合に出たら絶対に結果を残すんですよね。背中で見せる存在で、同じ右サイドということもあって、いろいろアドバイスをもらったり、今でも感謝しています。自分がそういう年齢に近づいてきて(来月6日、34歳に)、平川さんが率いるチームと戦うことになるので、少しでもいい姿を見せられたら。
平川さんの現役時代を考えると、丁寧につないでくるサッカーというイメージはあります。基本的に、しっかりビルドアップしたいんじゃないかな」
常々、チームのスカウティング情報とは別に、対戦相手の映像をしっかり見てのチェックを欠かさない。大先輩との再会を楽しみにしつつ、一番は自身と今治のチームメートの存在価値をさらに高めるために。万全の準備を整え、試合当日を迎える。
Reported by 大中祐二