
FC今治の特別指定選手としてJ3を戦った2023、2024年、そしてプロ1年目ながら初のJ2に挑む今治を支え続けた2025年と、3シーズンにわたって背負った37番から2番に変えて、梅木怜は明治安田J2・J3百年構想リーグに臨んだ。地域リーグラウンド15試合に出場して3ゴール。U-21日本代表のオーストリア・スロベニア遠征メンバーに選出されていたため、先発フル出場(0得点)したプレーオフラウンド第1戦のFC琉球戦が、特別大会最後のプレーとなった。
今大会前に番号を変えたい気持ちがあったという。さらに、サガン鳥栖に移籍した弓場堅真から「ぜひ、自分が今治で着けていた14番を着けてほしい」と言われていたのだが、クラブから提示された番号は2番か3番。3番は同郷である和歌山県海南市出身の大先輩、駒野友一がかつて今治で着けてプレーした番号でもあり、『まだ駒さんには全然、追いついていない。3番の自信はない』と、2番を選んだ。年代別の代表で2番を着けていることも、後押しになった。
ゆくゆくは、J1に昇格する今治の中心選手として、チームを引っ張る活躍をしたい――。帝京高校からプロになる際に掲げた目標だ。背番号を変更したことも、自身の成長と飛躍を、チームの進化につなげる思いがあったからだろう。
しかし、思い描いた軌道を行くハーフシーズンとはならなかった。攻守の主力が複数人、移籍したチームは序盤からサッカーの再構築に苦しみ、4月には監督交代。自身もコンディション不良からメンバー外となることもあった。それでも3バックの右、左右のウイングバック、そして4バックの左右のサイドバックと、チーム状況が少しでも上向くために、求められるさまざまな役割に全力で取り組んだ。
初のJ2で躍進した昨シーズンから一転、なぜ特別大会でここまで苦しんだのか。何が足りなかったのか。
「ボールを受ける意識が少なかったと思います。特に大会最後の方は、ゴールキックを蹴ってばかりだった。そこで自分たちがやりたいことだったり、もっと下でつないでいけば、自分たちの時間も多く作れたはずです。本当にそこだと思います」
確かにチームの最前線でプレーするエジガル ジュニオはボールを収めることにも長けている。大柄ではないが、囲まれても巧みに自分のボールにしていく様は、ほれぼれするほどだ。
だが、それ一辺倒になってしまえば、さすがに相手に対応されてしまう。他のプレーを含めて、エジガルの良さ、強みも消されることになる。梅木の「もっとボールを受ける意識が必要だった」という言葉は、ブラジル人エースに頼り過ぎたことへの反省の気持ちがこもっている。
「長いボールを蹴って、セカンドボールを拾ってというやり方は、試合最初の10分とか15分なら、という思いはありました。でも蹴ってばかりだと、ずっと上のボールになってしまって、今治の選手の良さはあまり出ない。チームとして、もっと共通意識を持たないといけませんでした。
キーパーが持ったとき、どれだけ早くみんなが準備できるかというのもあります。蹴るのはキーパーですけど、全員に受ける意識があれば、もっと下でつないでいけたと思います。そこはチーム全員の問題です。
あとは球際の部分で絶対に負けちゃいけない。気持ちの部分で、去年に比べて多少劣っているのかなと感じるし、そこがこの半年の課題だと思っています」
昇格も降格もない特別大会とはいえ、J2、J3の40チーム中、チームは35位でフィニッシュ。不完全燃焼に終わった半年間は、伸び盛りの日々を生きるその目に、どう映ったか。ある種の反骨心が、新たなスタートラインとなるのかもしれない。
Reported by 大中祐二