
「人生でやったことがなかったので、最初は『マジか』という感じだったけど…。やってみたら意外とできるんだなと」
明治安田J3リーグ第12節のFC琉球戦。AC長野パルセイロは前節から先発10人を入れ替え、2列目が主戦場の樋口叶をボランチで起用した。いくらケガ人が多い状況とはいえ、本人は驚きを隠せず、筆者も予想がつかなかった。
それでも控え組の中でそつなく役割をこなし、第14節のレイラック滋賀FC戦では主力組でもボランチ起用。1-1と同点の状況で途中出場すると、攻撃のギアを上げて3-1の勝利に貢献した。第15節のツエーゲン金沢戦でもフル出場し、2-0と連勝に導いている。
「3試合目ということもあって、なんとなくだけど感覚をつかめてきた」と樋口。持ち前の攻撃でボールを失わない技術を見せつつ、守備ではボールを奪い取る場面も。サイドバックの背後のカバーにも敏感だ。「言われたことをやってボールが取れたときに、『こうなるんだ』と楽しさを感じている」という。
守備をする際は、面白半分で「ガットゥーゾみたいに…」とイメージを膨らませている。“狂犬”というよりは子犬のようにおとなしく、小回りの効くドリブルが特徴だが、ボランチとして新境地を開拓。2列目に戻ったときも、相手に噛みつく姿が見られるかもしれない。
Reported by 田中紘夢