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【取材ノート:琉球】スマートな判断の先に――曽田一騎が岐阜戦の敗戦から学んだ「走り続ける」覚悟

2026年11月6日(金)


「あれは僕のパスというより、岩本(翔)選手のシュートがうまかっただけですよ」

明治安田J3リーグ第15節、上位を争うFC岐阜との一戦。9分、敵陣左サイド深くへ進入したワントップの曽田一騎は、ペナルティエリア手前で相手DFの圧力をいなしながら右足でボールを収めた。相手守備陣の重心が自分へ傾いた瞬間、視界の隅に後方から迫る味方の姿が映る。体の向きを微調整し、走り込む岩本翔へボールを転がすと、岩本が振り抜いた一撃がゴールネットを揺らした。先制ゴール。泥臭く相手ゴールへ迫る印象の強いアタッカーが見せたスマートな状況判断だった。


あの場面でなぜシュートではなくパスを選択できたのか。理由を尋ねると、本人は振り返る。

「最初は自分で打とうとしたんです。でも、ワーッと相手が寄せてくるのが見えたから簡単に落としました。戦術的にこう動こうと意識しているわけではなくて、試合の流れを見ながら『今ここで関わった方が良いな』と自然と感じて動いているだけです」

状況を察知して関わるプレーを平川忠亮監督も「前線に張るだけでなく、中盤へ下りて攻撃を組み立てられ、そこから再びゴール前へ入っていくスピードと力強さを兼ね備えている」と高く評価する。

今季はシャドーやウイングバックも務めた曽田。ポジションが変わっても、軸は変わらない。



「どのポジションで出ても、ゴールに向かう姿勢だけは絶対に変えない」

ゴールへの思いが強いからこそ、岐阜戦での2-3という逆転負けは、曽田に悔しさを残した。11分に2点目を奪い、5連勝へ近づいたはずだった。だが、23分に1点を返されると、後半にも2点を失い逆転を許した。

「2点取るまでは前線の選手がどんどん背後へ走るアクションを起こせていた。2点取るまでの動きを続けていれば追加点も取れていたはずだし、ボールを保持する時間も作れていた」と、曽田はこの試合の敗因によって学んだことを振り返った。



次は中3日で迎える福島ユナイテッドFC戦。冷え込みが予想されるアウェイ戦を前に、曽田は表情を和らげた。

「自分、寒い方が得意なんですよ。暑い時期よりもずっと走れますから」

そして、教訓を得たアタッカーは前を見つめて語った。

「連勝は止まりましたけど、負ける時もあります。大事なのは連敗しないこと。また1試合ずつ、勝ちを積み重ねていくだけです」

敗戦の痛みをかみしめた曽田は泥臭く走り続ける覚悟だ。

Reported by 仲本兼進