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【取材ノート:千葉】「ヌルヌルと相手を抜くドリブル」と闘争心あふれるプレーでサポーターの心をつかむ石尾陸登

2026年4月30日(木)
明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド EASTグループ 第12節で、川崎フロンターレと対戦したジェフユナイテッド千葉は、開始早々の6分に失点。川崎にファーストチャンスを決められたのに対して、千葉は前半から安井拓也、イサカ ゼインなどが複数の決定機を作りながらもなかなか得点できずにいた。

刻一刻と試合終了の時間が近づく中、欲しかった同点ゴールを奪ったのは、この試合が今シーズン初スタメンの石尾陸登だった。

85分、CKの場面で味方の多くがニアサイド寄りに動く中、杉山直宏が蹴ったCKのボールがペナルティエリアのファーサイド寄りに上がる。
味方と離れて1人で残っていた石尾は、ボールがワンバウンドしたのを胸でトラップし、利き足とは逆の左足で合わせてシュートを決めた。

「前で(河野)貴志くんとボニ(久保庭良太)がうまく潰れてくれたので。あのスペースにボールが来るかなと思っていたら転がってきたので、あとは足を振るだけでした」

ゴールシーンをそのように振り返った石尾だが、試合終了間際の89分、川崎に勝ち越しゴールを奪われて千葉は1-2の敗戦。


移籍後初スタメンで移籍後初ゴールではあったものの取材エリアの石尾に笑顔はなく、試合内容と自分のプレーについて悔しそうに語った。

「絶対にチームを勝たせたいなと思ってピッチに入りました。試合にうまく入れるまで少し時間がかかったんですけど、自分のプレーはそれなりに出せたかなと思います。自分のドリブルは通用するなと思っていたので、そこはうまく出せたかなと思うんですけど、最後のシュートのシーンはほかにも2つくらい決められるようなシーンがあったので。ああいう最後のところや細かいところをもっと突き詰めていきたいなと思います。やっぱりチームを勝たせられなかったので、そこは自分でも反省点だと思っていて、もっと練習して突き詰めていきたいです」

2失点目のシーンは石尾が前に上がった状況で、千葉は川崎の選手へのマークが少しずつずれてしまい、川崎の得点者のマルシーニョを完全にフリーにさせてしまった。試合後の記者会見で千葉の小林慶行監督は「いろいろなことが重なってしまったと思う。本当になかなかないというくらいに自分たちのエラーが重なってしまった」と分析した。

「誰が行くかというのがちょっと曖昧になってしまったところをやっぱり突かれてしまったので。J1ではああいう少しの判断の遅れでああやって失点してしまうので、それを身に染みて実感しました。今日は最初の失点も痛かったなと思います。ああいうふうにいい流れで試合に入っていたのに、ああいう少しの隙というか、あのシーンでも誰が行くかと少し迷ってしまったところですぐに失点してしまったので、自分にすごく腹が立ちました。今日は悔しい思いしかないです」

反省の弁ばかりが口を突いて出た石尾だが、チームとしても個としても攻守に課題が多かったとはいえ、この試合での石尾の攻撃力は確かに目立っていた。

攻撃力という点でいうと、石尾はPKを蹴るのが得意だという。1-1のスコアでPK戦に突入した第10節の水戸ホーリーホック戦で、石尾はPK戦の4人目のキッカーとして登場。先攻の千葉は1人目の髙橋壱晟のPKが水戸のGKの西川幸之介にセーブされ、2人目の石川大地のPKはゴールマウスを外れていた。その後、千葉のGKの若原智哉が水戸の2人目の渡邉新太のPKをセーブして石尾の番となり、かなりプレッシャーがかかる状況だったはずなのだが、石尾は落ち着いてGKの逆を突くようにゴールマウスの左隅へグラウンダーのPKを決めた。

試合後、PKが得意なので小林監督にPK戦のキッカーの順番を早めてもらうように頼んだという石尾に、4月23日のオンライン取材でPKを決める秘訣を聞いてみた。

「自信です(笑)。秘訣ではないですけど、ああいうドッキドキ感がけっこう好きなので、蹴らずに終わるんだったら自分が蹴りたいなと思います。GKが最後までこっちを見てくるのか、先に飛ぶのかとか、自分がどっちに蹴るのかとか、いろいろな駆け引きがある中で、ああいう場面で考えているのが楽しいです」

その一方で、ドリブル突破を仕掛ける際の1対1の駆け引きについては「あまり考えていなくて無意識にやっている」という。

連敗阻止を目指した第13節では石尾曰く「ヌルヌルと相手を抜いていくドリブル」という武器を思うようには見せられなかった。

だが、横浜F・マリノスの近藤友喜の突破を自分の体を前にねじ込んで止め、近藤がコントロールしていたボールがゴールラインを割ると、千葉サポーターを煽るように大声を上げる姿を見せた。その闘争心あふれるプレーは間違いなく千葉サポーターの心をつかんでいる。

第13節で千葉は2-3の逆転負けを喫し、4連敗と苦しんでいる。新戦力の1人の石尾がさらに奮闘し、活躍してチームの勝利に貢献することで、千葉は変わっていけるはずだ。

Reported by 赤沼圭子