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【取材ノート:神戸】ACLE初優勝は持ち越しとなった。だが、ファイナルズの激闘は若い選手たちの“ロイター板”になる。

2026年4月30日(木)
ヴィッセル神戸が初優勝をめざした「AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)2025/26」はベスト4で幕を閉じた。だが、あの激闘はファン・サポーターの記憶に深く刻まれたに違いない。

ACLEファイナルズ初戦の準々決勝は、元ブラジル代表のロベルト フィルミーノを擁すアル・サッド(カタール)と戦った。開始早々に先制点を許したものの、24分に大迫勇也のゴールで同点に追いつく互角の展開に。だが、後半に立て続けに追加点を許し、1-3の劣勢を強いられることになった。

だが、神戸の選手たちに諦める雰囲気は微塵もない。74分に井手口陽介のゴールで1点差に詰め寄ると、90+3分には広瀬陸斗のクロスを武藤嘉紀が執念で押し込んでついに同点に。そして延長PK戦で勝利をつかむ。ドラマチック過ぎる逆転劇は神戸のファン・サポーターを熱くさせた。


続く準決勝は前回王者アル・アハリ・サウジ(サウジアラビア)との一戦となった。序盤から、地元の大声援を受けるアル・アハリ・サウジに押し込まれる展開となったが、先制したのは神戸だった。

31分。永戸勝也のフリーキックを大迫勇也が競り勝ち、落としたボールに武藤嘉紀が詰めてゴールネットを揺らした。見事にデザインされた完璧な先制点だった。

1-0で迎えた後半。大会連覇に執念を見せるアル・アハリ・サウジの猛攻に遭う。62分にCKの流れからガレーノに強烈なミドルシュートを叩き込まれると、70分にはイヴァン トニーに逆転ゴールを許してしまう。神戸もジェアン パトリッキや広瀬陸斗らを投入して攻撃のギアを上げたものの、スコアは動かず1-2で涙を飲んだ。


ACLEファイナルズ2試合に先発出場した郷家友太は「個人としては不完全燃焼に終わった」と振り返る。チームの潤滑油として本来のパフォーマンスを発揮できなかったからかもしれない。

「でも、半年前はJ2にいたことを考えると、ああいう舞台を経験できたのは当たり前のことではないと思っています。(アジアの)スピード感も実際に経験しないとわからないものでしたし、やはり上には上がいるというか、そういう刺激ももらえた。(ACLEを通して自分の中の基準も上がり)今は、Jリーグでもっと自分を磨かないといけないと強く思っています」

郷家友太に代わり、準決勝の後半からピッチに立った日髙光揮もACLEファイナルズで大きなものを得たと振り返る。

「(あまり試合に絡めなかった)去年の自分の立場だと、準決勝のピッチには立てていなかったと思う。あの大観衆の、完全アウェイの舞台を経験できたのは個人的には大きいと思います。準決勝の後半は(お互いが打ち合うような)オープンゲームになりました、あの展開で中盤の選手がもっとゲームをコントロールできればよかったと思います。試合中も感じていましたし、試合後に映像を見てもそう思いました。(大歓声で)選手同士の声があまり聞こえなかったのですが、ああいう環境でいかにコントロールできるかが重要だと思いましたし、自分の力不足も感じました。ただ、それを感じただけではなく、次に活かさないといけない。あとは自分次第。やるだけです」

ミヒャエル スキッベ監督によって貴重な経験を与えられた2人だが、もちろん、ここが終着駅ではない。この経験は跳び箱のロイター板にして、より高く跳ぶことを期待したい。

Reported by 白井邦彦