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【取材ノート:藤枝】序列を変える! “蒼藤決戦”3連勝に向けた藤色戦士たちの矜持

2026年5月14日(木)
「僕が藤枝に来てから、静岡だとやっぱりエスパルス、ジュビロと言われてきましたし、ダービーと呼んでもらえなかった悔しさもありますが、そこは自分たちが結果で変えていくしかないと思います。歴史もあるので、この1試合で変わるものでもないですが、1勝1勝積み重ねてしかないと思うので、本当に目の前のこの1戦でしっかり勝つために戦いたいと思います」(梶川諒太)

今節、ジュビロ磐田とのアウェイゲームに臨む藤枝MYFC。2023年に初めてJ2リーグに昇格した際、清水エスパルスと磐田という県内の大先輩クラブとのリーグ戦対決が初めて実現した。だが、その際に相手陣営からは「静岡ダービー」と称することを認められず、代わりに「静岡三国決戦」という造語が用いられた。

そして2025年には藤枝と磐田がJ2で戦うことになり、両者のチームカラーから新たに「蒼藤決戦」という言葉やロゴが作られ、県内の注目度を高めている。ただ、藤枝が他の2クラブから「ライバル」とは認められていないという状況は変わらなかった。

そんな中で、昨年は須藤大輔監督が「県内の序列を変える」と宣言し、ホームでの蒼藤決戦(30節)では矢村健の2ゴールによって磐田から公式戦初勝利を挙げた。それ以前は天皇杯も含めて4戦全敗だったが、今年の百年構想リーグでは、前半で退場者が出て数的不利になりながらも1-1で最後まで粘ってPK戦勝ち。今回勝てば3連勝となり、今の順位も藤枝が6位で磐田が8位なので、序列を変えるという意味では大きな一歩を踏み出すことができる。

「ただ勝つだけじゃなく、圧倒して勝つことで」

もちろん、クラブとしての歴史だけでなく、ファン・サポーター層の厚みや予算規模ではまだまだ及ばない。百年構想リーグでのホームゲーム平均入場者数は、藤枝の5,814人に対して、磐田は9,072人。ただ昨年と比べると、藤枝が15.6%増、磐田が26.4%減と差は縮まりつつある。

それを踏まえて槙野智章監督は、次のように語る。
「静岡県の中でいろんなチームを応援してる方々がいると思いますが、我々が結果を出すことによって、藤枝MYFCを好きになってもらう、スタジアムに来てもらうきっかけにもなると思います。良いライバル関係というのは、僕はすごく素敵だと思いますし、ジュビロ磐田という素晴らしいチームがあるからこそ、我々も負けたくないという気持ちでやれています。今まで向こうは僕らをライバルと見てなかったと思いますが、今は意識していると思いますし、県内の良いライバル関係になっていきたいと思います」

当然、県内出身の選手にとっては、より気持ちが入る戦いとなる。

「静岡の人たちが注目する試合で、地元(静岡市)出身の僕は見られる立場だと思うので、自然とモチベーションが上がりますし、やってやろうという気持ちがすごく湧いてきます。僕はまだヤマハスタジアムで試合したことがないから、その意味でも絶対出たいですし、ここで結果を残せば歴史にも残ると思ってます。もちろん自分はつねにチャレンジャーの気持ちですけど、前期も勝っているので、僕らのほうが強いよというところを証明して、立ち位置をはっきりさせたいです」(杉田真彦)

また、静岡県の歴史や勢力図を知らないルーキー選手たちも、特別な試合であることは肌で感じている。

「前回の試合でも、選手にもサポーターの皆さんにも賭ける思いというのがすごく感じられて、絶対に負けられない雰囲気があったので、そこはすごく楽しみです。その中で、ただ勝つだけじゃなくて圧倒して勝つことで、静岡県内での藤枝MYFCの価値も上がりますし、サポーターの皆さんも本当に勝利を待ってくれていると思うので、90分で決着つけられるように、自分も点を取って勝ちたいと思います」(真鍋隼虎)

「前回の試合前のミーティングでも、ここは絶対に負けちゃいけないと言われましたし、いつもと違う雰囲気がありました。今は磐田も3バックでやっているので、ミラーゲームになってサイドの攻防というのは大事になると思うので、チームために身体を張ったプレーをして、絶対勝ちたいです」(中村優斗)

槙野監督が就任してからクラブとしての成長速度が加速している藤枝MYFC。今節の内容と結果は、今後の成長曲線にも大きな影響を及ぼすことになるだろう。

Reported by 前島芳雄