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【取材ノート:長野】アウェイで大宮撃破。元熊本トリオが見せた“赤馬の呼吸”

2026年5月19日(火)


酒井崇一から藤川虎太朗、そして樋口叶へ。かつてロアッソ熊本に在籍した3人でボールを繋ぎ、強豪相手にゴールを決めた。

明治安田J2・J3百年構想リーグは第17節。AC長野パルセイロは大宮アルディージャのホームに乗り込み、2-1で逆転勝ちを収めた。85分の決勝点は、3人の阿吽の呼吸から生まれたものだ。


酒井のロングフィードから藤川が最終ラインの背後へ。ペナルティエリアの右外にトラップして時間を作り、その間に右サイドハーフの樋口がポケットに進入。藤川のパスを受けてゴール前に迫ると、シュートフェイントで相手を1人かわし、ニアサイドに左足で流し込んだ。

ゴールの起点となったのは酒井だったが、パスを受けた藤川は「(酒井)崇一くんだったら出してくれると分かっていた。実際に呼ばなくても出てきた」と振り返る。その後の樋口へのラストパスについても「あそこでボールを持ったら(樋口)叶が入ってくれるのも分かっていた」。樋口の動きを見ることさえもなかったという。

スコアラーの樋口からしても、「コタくん(藤川)がボールを出してくれるのは分かっていた」。藤川の言葉を借りれば「信頼関係」が生んだゴール。その関係値は熊本時代から築かれ、長野の地でより強固になっている。

とりわけ藤川と樋口は、ピッチ内外で共に過ごす時間も長い。大宮戦の週の練習後にも、2人が談笑する姿は見られた。「あいつ(樋口)はただご飯を奢ってもらいたいだけだと思う」と笑いを誘った藤川だが、キャプテンとしても仲間としても、樋口の様子を気にかけていたようだ。

「オンもオフも共に過ごしているので、出ている時期も出られない時期も話はできる。(樋口)叶もなかなか苦しい時間が多かったと思うけど、プロ初ゴールはすごく嬉しいだろうし、それを自信にしてほしい」

樋口はプロ4年目にして初ゴール。今季はここまでスタメンの機会がなく、メンバーから外れる時期もあった。それでも苦しい日々を糧に変え、仲間のアシストも受けて結果を残した。

「素直に嬉しかったけど、『やっとか…』という気持ちのほうが勝っている。これからどんどんゴールを決めたい」

酒井を含めた元熊本トリオの“赤馬の呼吸”は、チームにとっても武器となりそうだ。

Reported by 田中紘夢