
「俺は余裕で元気なので。涼しいし...」
連日ハードな練習が続いたプレシーズンでも、福岡県出身の“九州男児”は暑さにも負けず元気だった。それは公式戦が始まっても同じだ。
天皇杯本戦出場を懸けた長野県サッカー選手権大会。藤川虎太朗は準決勝のアンテロープ塩尻戦で1ゴールを決めると、決勝の松本山雅FC戦でも1アシスト。快調な滑り出しに心意気が表れていた。
8月2日に行われた松本戦では90+2分まで出場し、2トップの一角として獅子奮迅の活躍を見せた。10分には相手センターバックに猛然とプレスをかけると、GKへのバックパスに対しても2度追い。致命的なパスミスを誘い、ボールを奪った近藤貴司が無人のゴールに決めた。
極めつけは1-0で迎えた後半アディショナルタイムだ。長谷川隼のクリアが相手GKのもとへ向かい、スコアラーの樋口叶からすれば「相手GKのボールになると思っていた」。筆者も同じ見解だったが、藤川だけは違う――。
諦めずにボールを追いかけると、GKが飛び出すのを躊躇して足を止めた。その隙に藤川がボールを奪い、中央に待ち構える樋口へラストパス。試合を決定づける2点目が生まれた。
「ゴール以外でも前線の2人がものすごいプレッシャーをかけてくれた」と1点目を決めた近藤が言えば、2点目の樋口も「相手GKのボールになると思っていたけど、コタくん(藤川)のボールになった。『あ、来た!』という感じだった」。
藤川が走りに走った結果、“実質2アシスト”の活躍で2-0の勝利に導いた。冒頭に触れた「俺は余裕で元気なので」という発言は、決して空元気ではない。「マジで上に行きたい」という心意気が言動に表れている。
Reported by 田中紘夢