リーグのカレンダーが変わって新たなスタートとなる2026/27明治安田Jリーグがいよいよ開幕。
その中で初のJ1昇格を目指す藤枝MYFCは、選手の3分の1が入れ替わるという大胆な底上げを図り、ハードなトレーニングを重ねて準備を進めてきた。
その過程で注目されるのが、11人の新加入選手たちが早くも藤枝スタイルに馴染み、主力を占めつつあることだ。そのため、前回はチームを離れた選手について振り返ったが、今回は開幕を前に新戦力たちについてフォーカスしたい。
そのうえで新戦力はそれぞれサッカーIQが高く、戦術理解が早かったことも彼らの台頭を加速した。キャンプ等の練習試合でもAチームに多くの新加入選手が入り、開幕戦に向けた筆者の予想スタメンでは、半数以上の6人を占めている。そんな中で、彼らがもたらす影響について槙野監督は次のように語る。
「プレーの幅は、新加入選手によって間違いなくかなり広がってると思います。もちろん個人のクオリティでの違いも見せてくれていますし、既存選手と新加入選手たちの融合の中でまた新しい発見がたくさんあって、いろんな組み合わせが見えたのも良かったと思います。あと百年構想リーグと違って、後半から流れを変える選手を投入するプランも増えて、良い引き出しになっています」
プレーの幅が増えたという意味では、たとえば右ウイングバックに青木俊輔(長崎)が入ったことで、左の中村優斗に頼りがちだったサイド攻撃に変化が生まれている。青木は右サイドを主戦場としながらも利き足は左で、外から中に切れ込んでのシュートも武器のひとつ。セットプレーのキッカーとしても高い質を備え、直接ゴールを狙うFKも持っている。左利きで右ウイングバックを務めるメリットについて、青木本人はこう語る。
「(サイドで)中向きにプレーできるので、中央に出すパスが増えたりして中央でのコンビネーションも作りやすいですし、僕は逆サイドまで一発で変えられるので、幅のある攻撃はしやすくなると思います。あと自分は右サイドの方がドリブルもしやすいので、攻撃のバリエーションを増やしやすくて、右でプレーするのが好きです」
その効果によって左の中村優に警戒が集中することも軽減され、彼がより暴れやすくなることも期待できる。中村優が疲れた場合には、町田から来た沼田駿也がギアを上げることができる。槙野監督の現役時代に一緒にプレーしたことがある岡本拓也(大分)は、右ウイングバックでも右センターバックでもボール奪取力や経験を生かした安定感をもたらすことができ、チームが苦しいときにも頼りになる存在だ。
最前線では、矢村健が千葉に移籍したが、C大阪から岡澤昂星に代わって金本毅騎がレンタル加入。184cmの高さがあり、ポストプレーも裏抜けもできて、シュートのバリエーションも豊富と、本人も「なんでもできるのが特徴」と言う1トップがはまるストライカーだ。まだ22歳と若く、エースの真鍋隼虎と高いレベルの競争を繰り広げている。
ボランチ候補には、長尾優斗(水戸)と上畑佑平士(福島)が入って質の高さを発揮しており、角田もボランチを得意としている。彼らはボールを失わず確実に前方へ展開する能力にも、守備での強度にも優れ、戦術に馴染むのも速かった。それによって戦術の要となるポジションでも攻守両面でグレードアップが計算でき、百年構想リーグでボランチの軸に成長した三木仁太を、左のセンターバックとして試すこともできている。
守備陣には、センターバックの松田佳大(京都)とGKの吉田舜(浦和)が加わった。松田は190cm/85kgの屈強な肉体で守備強度を上げるだけでなく、周囲に声を出し続ける統率力でも守備の隙をなくすことに貢献し、新加入ながら選手投票でキャプテンに任命された。吉田は、J1からJ3まで全てのカテゴリーでプレーした経験があり、虎視眈々と守護神の座を狙っている。
当初は、矢村、浅倉、岡澤昂星、永野修都、北村海チディとセンターラインの実力者5人が抜けたことが不安視されたが、開幕前の段階ですでに期待感のほうが高まってきた。槙野監督が言うように、新戦力と既存戦力との融合でさまざまな化学変化が生まれていることも、楽しみを増す要素のひとつだ。
ホームで迎える開幕戦は、昇格候補の仙台という難敵が相手だが、槙野監督の言う“祭”にチーム全体で自信を持って臨む準備は整っている。
Reported by 前島芳雄
その中で初のJ1昇格を目指す藤枝MYFCは、選手の3分の1が入れ替わるという大胆な底上げを図り、ハードなトレーニングを重ねて準備を進めてきた。
その過程で注目されるのが、11人の新加入選手たちが早くも藤枝スタイルに馴染み、主力を占めつつあることだ。そのため、前回はチームを離れた選手について振り返ったが、今回は開幕を前に新戦力たちについてフォーカスしたい。
左右から恐さたっぷりの攻撃が
今季に向けての新加入選手は、完全移籍7人、期限付き移籍4人で、そのうち8人がJ1クラブから来た選手。全員が即戦力と言える実力者揃いで、槙野智章監督の要望もしっかりと反映されて、槙野スタイルにマッチする選手ばかりを獲得した。また各ポジションで2〜3人がハイレベルな競争をできるような編成が完成したことも今回の大きなポイントで、槙野監督は「競争と共存」をチーム作りの基本精神として掲げている。そのうえで新戦力はそれぞれサッカーIQが高く、戦術理解が早かったことも彼らの台頭を加速した。キャンプ等の練習試合でもAチームに多くの新加入選手が入り、開幕戦に向けた筆者の予想スタメンでは、半数以上の6人を占めている。そんな中で、彼らがもたらす影響について槙野監督は次のように語る。
「プレーの幅は、新加入選手によって間違いなくかなり広がってると思います。もちろん個人のクオリティでの違いも見せてくれていますし、既存選手と新加入選手たちの融合の中でまた新しい発見がたくさんあって、いろんな組み合わせが見えたのも良かったと思います。あと百年構想リーグと違って、後半から流れを変える選手を投入するプランも増えて、良い引き出しになっています」
プレーの幅が増えたという意味では、たとえば右ウイングバックに青木俊輔(長崎)が入ったことで、左の中村優斗に頼りがちだったサイド攻撃に変化が生まれている。青木は右サイドを主戦場としながらも利き足は左で、外から中に切れ込んでのシュートも武器のひとつ。セットプレーのキッカーとしても高い質を備え、直接ゴールを狙うFKも持っている。左利きで右ウイングバックを務めるメリットについて、青木本人はこう語る。
「(サイドで)中向きにプレーできるので、中央に出すパスが増えたりして中央でのコンビネーションも作りやすいですし、僕は逆サイドまで一発で変えられるので、幅のある攻撃はしやすくなると思います。あと自分は右サイドの方がドリブルもしやすいので、攻撃のバリエーションを増やしやすくて、右でプレーするのが好きです」
その効果によって左の中村優に警戒が集中することも軽減され、彼がより暴れやすくなることも期待できる。中村優が疲れた場合には、町田から来た沼田駿也がギアを上げることができる。槙野監督の現役時代に一緒にプレーしたことがある岡本拓也(大分)は、右ウイングバックでも右センターバックでもボール奪取力や経験を生かした安定感をもたらすことができ、チームが苦しいときにも頼りになる存在だ。
センターラインの不安にも十分な手応えが
シャドー候補では、7月にピックアップした北原槙(FC東京)や、浅倉廉が背負っていた8番を受け継ぐ角田惠風(柏)らは、崩しのバリエーションを増やすだけでなく、質の高いミドルシュートも武器で、これまで足りなかった要素を補っている。もちろん清水ユース出身の川本梨誉(岐阜)も、スタメンで高い得点力を発揮できる選手だが、後半に投入されるジョーカーとしても相手にとって脅威となる。最前線では、矢村健が千葉に移籍したが、C大阪から岡澤昂星に代わって金本毅騎がレンタル加入。184cmの高さがあり、ポストプレーも裏抜けもできて、シュートのバリエーションも豊富と、本人も「なんでもできるのが特徴」と言う1トップがはまるストライカーだ。まだ22歳と若く、エースの真鍋隼虎と高いレベルの競争を繰り広げている。
ボランチ候補には、長尾優斗(水戸)と上畑佑平士(福島)が入って質の高さを発揮しており、角田もボランチを得意としている。彼らはボールを失わず確実に前方へ展開する能力にも、守備での強度にも優れ、戦術に馴染むのも速かった。それによって戦術の要となるポジションでも攻守両面でグレードアップが計算でき、百年構想リーグでボランチの軸に成長した三木仁太を、左のセンターバックとして試すこともできている。
守備陣には、センターバックの松田佳大(京都)とGKの吉田舜(浦和)が加わった。松田は190cm/85kgの屈強な肉体で守備強度を上げるだけでなく、周囲に声を出し続ける統率力でも守備の隙をなくすことに貢献し、新加入ながら選手投票でキャプテンに任命された。吉田は、J1からJ3まで全てのカテゴリーでプレーした経験があり、虎視眈々と守護神の座を狙っている。
当初は、矢村、浅倉、岡澤昂星、永野修都、北村海チディとセンターラインの実力者5人が抜けたことが不安視されたが、開幕前の段階ですでに期待感のほうが高まってきた。槙野監督が言うように、新戦力と既存戦力との融合でさまざまな化学変化が生まれていることも、楽しみを増す要素のひとつだ。
ホームで迎える開幕戦は、昇格候補の仙台という難敵が相手だが、槙野監督の言う“祭”にチーム全体で自信を持って臨む準備は整っている。
Reported by 前島芳雄