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【取材ノート:東京V】即戦力を続々と獲得した東京ヴェルディ。中断期間でのアジャストメントに大注目

2026年9月24日(木)
2026/27明治安田J1リーグが開幕し、第8節が終了した。東京ヴェルディはここまで0勝4分4敗と未勝利で19位に低迷している。J1は次節の第9節まで約3週間の中断期間に入った。東京Vにとってはこの期間を「恵み」と捉え、チーム立て直しのために大いに活用していきたいところだ。
 
最大の注目点は、なんと言っても新加入選手の融合だろう。新たに始まった「秋冬制」により、第1登録ウインドー(夏の移籍期間)は2026年9月16日が期限だった。その中で、8月7日の新リーグ戦開幕後に獲得した、2019年に京都サンガ(J2)で17得点を挙げたFW一美和成(前ファジアーノ岡山)。東京ヴェルディのアカデミーからの生え抜きで、2020年から6年間ポルトガル、イングランドで世界基準を身につけてきたMF藤本寛也(前バーミンガム・シティ)。韓国代表DFチョ ユミン(前シャールジャFC)と、攻守にわたるすべてのポジションで超即戦力の獲得に成功した。
 
9月10日に加入が発表された一美は、直後の13日(J1第7節)から2試合連続で途中出場。得点こそ奪えていないが、少ない出場時間の中で、前線でボールがしっかりと収められ、そこから染野唯月、福田湧矢らを生かしながら自らもゴールに迫れる期待感を存分に漂わせている。一美自身も「ソメ(染野)の負担を軽くしてあげられると思いますし、(福田)湧矢とはガンバ大阪で一緒にやっているので特徴(特長)はよくわかっているので」と感触の良さを口にしている。
 
その一美に加え、突如舞い込んできたのがイングランドからの藤本の「ヴェルディ帰還」の朗報だった。アカデミー時代から「ヴェルディから直接世界へ」と託された使命を果たし、さらに「世界から古巣・ヴェルディへ」の実現も遂げた。その意義は『東京ヴェルディ』というクラブにとっても非常に大きく、「J1クラブ」であることの価値の1つをあらためて証明しているといえよう。

江尻篤彦強化部長も「すごくありがたい話です。あとは、彼(藤本)の中には今のヴェルディの状況を『なんとかしたい』という気持ちは持ってくれていたと思います」と感謝した。

チームに合流して2日後の19日(J1第8節)の浦和レッズ戦で終了間際の4分間だけプレーした藤本は、短い時間ではあったが「自分たちがどういうサッカーをやったら相手が嫌がり、プレッシャーに感じるのか。相手の選手やスタジアムも含めて、相手はどういうところが得意で、ロングボールやポゼッションなどをどういうふうにやらせないのかなど、相手の大まかな状況だけではなく、細かい状況も見ることが必要になってくると思う」と、自らが海外で身につけた経験をもとに、今の東京Vに足りないものを感じたという。
 
城福浩監督は、藤本の獲得を機に次のように話した。
 
「1つの事実として、J1に上がってから、このチームは登録選手の平均年齢が1番低い。それが、年々低くなっているんです。在籍している選手は全員1つずつ歳をとっているはずなのに、です。ということは、僕が東京Vに来て5年目になりますが、獲得する選手がほぼ成長途上、ここから成長してピークの土台を作っていくような(若い)選手だったということです。で、プレーピークの選手が積み上げてきたものと、成長していきながらやっている選手とのミックスで、ここまでどうにか戦ってきたんですよ。それは、2024年も2025年も、百年構想リーグも、この2026/27年シーズンも、何も変わりません。プレーピークの選手たちも含めて、どれだけ成長させながら、積み重ねたものを勝ち点や勝利につなげていくかというのは、どの年だって難しい。1つ、今はチームを引っ張っていくはずのプレーピークの選手が何人も大きな怪我をしているという状況はありますが、この3年間、難しさ自体は何も変わってない。今年だけが特別難しいわけではありません。僕らはずっと抱えながらやっていたことです」と状況を説明。
そして、新戦力の加入について続けた。
 
「この夏に、いわゆる年齢的にいえばピークの選手が何人か入ってくるようになったのは、僕らにとっては非常に助けになりますし、チームとしてこれをプラスに変えなければいけない。ただ、今までのように新しい若い選手の補強と今いる現存のプレーピークの選手をミックスさせていくかとは、またスタンスが違う。(今回は)入ってきたプレーピークの選手をいかにアジャストさせていくかというところになるので。
とはいえ、他のチームのやり方(に慣れている)だったり、しばらく試合に出ていなかったり、各々の事情がある中で、このチームがJ1でいかに残ってきたかを深い意味で理解をしてピッチに立つのはそんなに簡単ではありません。攻撃のクオリティが上がったからといって、じゃあチームのプラスになるかといったら、そこで守備のクオリティが下がるようであれば、このチームでは一挙に落ちることになるので。ここを理解して体現できる状況にしたい。それには成長を促す選手とはまた違ったアプローチが必要なので、そこはメリハリをつけてアプローチしながら、最短でアジャストさせたいと思います」
 
一美、藤本に加え、チョも合流する。今リーグ戦から加入した溝口修平、神田奏真、キム ヒョンウ、柴戸海らとの融合もさらに深めたいところだ。さらに山見大登、田邉秀斗ら離脱中の選手の復帰もしばらくすれば視野に入ってきそうだ。

 「このチームが失ってはいけないもの」を新戦力にいち早く浸透させ、激しいポジション争いの中で現有戦力と一体化させ、チームをブラッシュアップできるか。城福監督の手腕に注目だ。

Reported by 上岡真里江