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【取材ノート:東京V】「チームや選手たちに自信をつけたい」抜群のリーダーシップを誇る韓国代表DFチョ ユミンがJデビューへいよいよ本格始動

2026年10月15日(木)


9月18日に東京ヴェルディへの完全移籍加入が発表されていた韓国代表DFチョ ユミンが10月13日、初めてメディア対応を行った。韓国語の通訳が就労ビザの関係で合流できていないため、チームメイトのFWキム ヒョンウが代役を務めてくれた。

今回移籍するにあたり、いくつかの選択肢があった中から東京Vを選んだ。「昔からJリーグでプレーしたいという気持ちはありました」というのも一因だが、最大の決め手は「熱意」だったと話す。「わざわざ韓国まで足を運び、自分の必要性を熱く力説してもらった」ことに心を奪われた。

「伝統ある東京ヴェルディというクラブは、人間性もすごく大事にすると思います。その部分を一番評価していただいているということが大きかったです。今のチームはすごく若い選手が多いという中で、『リーダーシップや、試合の中、練習の中で常に声を出せるプレースタイルの選手が必要。持ち味を発揮して、ぜひともチームを引っ張っていってほしい』と言っていただいた」

チームは今、9戦0勝4分5敗で最下位と、2024年にJ1復帰して以降最大の窮地に立たされている。その状況を何としても変えていきたいという意気込みは非常に強い。

「自分が試合メンバーに入ったからといってすぐに勝てるようになるかといえば、正直、それはわかりません。でも、これまで自分が経験してきたものを、若いチームにしっかりと伝え、落とし込んでいくことも含め、とにかく自分が持っているもの全てをどんどん前面に出してチームに貢献したいと思っています」

今の苦境から脱出するためには「全ての改善が必要」だとした上で、「一番大事なのは気持ち」だと韓国代表DFは強調する。

「今まで試合に勝てていないので、どうしても選手たちはみんな自信を失ってしまっているところがあるように見えます。でも、自分が加わることで、例えば前節(サンフレッチェ広島戦)の前半はすごくいい内容だったと思いますし、そういうポジティブな面にフォーカスしながら、チーム全体や選手たちに自信をつけてあげられたらなと思っています。本当にまずは精神、マインドというところで一人一人が強い気持ちになれるように、ヴェルディのために全力を尽くして貢献していきたいと思います」

そんな熱い想いは、ピッチ内外での立ち居振る舞いを見れば一瞬で伝わってくる。まずはチームやチームメイトに馴染むべく、自ら積極的にコミュニケーションをはかりにいった。練習参加初日には、別メニュー調整だった山見大登と同じメニューを行う中、ジョギングしながら「ヒダリ(左)、ミギ(右)」など早々に日本語を教えてもらい、取材陣にもわざわざ「こんにちは~」と日本語で挨拶してくれた。そうした人なつっこさでチームへの溶け込みも非常に早く、主将の森田晃樹も「本当にいい人。人柄もすごくいいから、すぐに馴染むと思います」と太鼓判を押す。

とはいえ、プロである以上、本当の意味でチームに歓迎されるか否かは実力によって大きく変わることは言うまでもない。その点でも、早くもチームメイトたちから信頼と期待を勝ち得ている。練習合流した初日、全体練習後に守備のルールをおぼえるべくクロスボールへの対応などを個別で行ったが、その様子を他の選手がほぼ全員、グラウンドに残って見つめていた。そこで見せたクリアボールの強烈さと体の強靱さに、誰もが感嘆の声をあげていた。
また、時にはFW陣が行うシュート練習にも加わるが、蹴った時のボールの音、ネットを突き刺す威力は規格外。選手たちも「ヤバい!」と興奮気味に話すほどだ。
この日、ともに紅白戦を行った森田は「強い上に動けるし、つなぐ意識もあって、クリアをパスにできる。能力が凄く高いなと思います。それにシュート力も高い。特にセットプレーではチームとしても最近決められていないので、ぜひ決めてくれればと期待しています」と期待を寄せた。

外国籍選手が成功するための大きな要因の1つとして「言葉」の壁があると言われるが、チョ ユミンの妻は韓国のアイドルグループ「T-ARA(ティアラ)」の元メンバーのソヨンさんで、「僕もソヨンも日本がめっちゃ大好き!」だという。しかも、ソヨンさんは日本語がペラペラ。今は、昨季まで暮らしていたUAEのドバイの家の片付け作業をしてもらっているため離れて暮らしているが、電話での会話も日本語で行っているほどだ。チョ ユミンの日本語上達が異例に速い理由も大いに納得できた。

「今からJリーグでプレーするのが楽しみでワクワクしています。今回、(韓国代表に選ばれていたにもかかわらず)ワールドカップに行く直前に怪我をして本当に悔しかった。ヴェルディと一緒に成長して、もう1回代表に入りたいという気持ちが強いです」

相馬直樹新監督とともに新たなスタートを切った新生・ヴェルディを力強く支えてみせる。

Reported by 上岡真里江