
公式戦では9年ぶりとなるさいたまダービー、浦和レッズ対RB大宮アルディージャ戦が天皇杯3回戦で実現した。
入場券は即完売、当日はメディアも大挙する、世間の耳目を集めるカードとなったが、中でもその試合を待ちわびていた者がいた。
茂木力也。アカデミーから浦和で育ち、2019年いっぱいまで浦和に籍があった。大宮在籍は今年で5年目、それまでも浦和を離れていた期間は短くはないが、所属クラブのカテゴリーの違いもあり、初めての古巣戦。それが、さいたまダービーとなった。
「浦和を出てからずっとやりたかった。雰囲気はやっぱり独特でしたね」
後半スタートから加藤聖に代わり左サイドバックに入る。浦和サポーターのきついヤジにも「懐かしい感じがしました。味方にいれば心強いし、それを(浦和の)中でも外でも経験できたのは新鮮でした」と、楽しむ余裕さえあった。
浦和に2点のリードを奪われる苦しい状況だったが、黙ってはいなかった。64分、左サイドで豊川雄太とのコンビネーションから、ゴール前に鋭いクロスを入れる。
「あのスペースが空いてるのは見えてたんで、誰か入ってこい!と思って上げました」
そこへ反応したのが、右ウイングの小林柚希。「蹴る瞬間に、ここに来るなっていうのはわかってました。力也くんとの日頃の練習からの関係性で、来るって感じはありました。本当に自分の欲しいところにどんぴしゃに来たんで、ただ足を振るだけでした」とクロッサーを称えた。
ここまでリーグ戦は出場なしながら、「茂木健在」をアピールする好プレーとなった。

「出番がなくてもやることは変わらない。J1昇格には全員の力が必要だと思うんで、いつか来るチャンスのために日々やっていきたいと思います」
結果的には3失点を追いつけず、天皇杯は3回戦で敗退となった。何より、他のどのカードよりも悔しいさいたまダービーでの敗戦である。
「この街全体が待ちに待ったっていう感じだったと思う。今日負けたのは本当に悔しいですけど、力及ばなかったんで、今度はJ1で対戦できるように頑張ります」
J1昇格を果たせば、来季はリーグ戦で相見えることになる。そこでリベンジを果たすためにも、目標はより明確になった。今シーズンの戦いへ、さらに思いは強くなったはずだ。
Reported by 土地将靖
