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【取材ノート:今治】チーム浮上を懸けて――。近藤高虎の姿勢が道の先を照らし出す

2026年10月28日(水)


明治安田J2リーグ第12節・ベガルタ仙台戦、そして中3日の第13節・ブラウブリッツ秋田戦は、降格圏内から浮上するべく臨んだ東北アウェイ2連戦であった。

しかし連敗に終わり、勝点は積み上げられず。シーズン3分の1となる13試合を終えて19位と、FC今治にとって苦しい状況が続く。

仙台戦、秋田戦で落とした勝点は、いずれも3ポイント。だが、秋田戦のマイナス3の方が、よりこたえる。対戦時点で17位・秋田との勝点差は2で、勝てば自力で順位を上げられる6ポイントマッチだったからだ。


仙台戦は首位チームを相手に開始30秒、ボランチ梶浦勇輝のゴールで先制に成功する。だが1-0で試合を折り返したものの、徐々に個人、組織のクオリティーと精度の違いを見せつけられ始め、後半、3失点して逆転負けとなった。

今治出身でチーム在籍7年目の小柄なドリブラー、近藤高虎が3枚替えの1人として交代出場したのは56分。48分、54分と後半始まってすぐに、立て続けに失点した直後のことだった。

「入る前に2点決められて、ピッチの中の雰囲気も少し沈んでいる中で、何とか自分のワンプレー、ワンプレーで空気を変えようと思いましたが、なかなか難しくて。それに、自分が入ってからも1点決められてしまった(74分)のは反省しないといけないです。1点差と2点差とでは、全く違いますから」

空気を変えるためにピッチで取った行動、プレーが鮮明だった。左ウイングバックに入ると、攻撃面で仙台を脅かす場面は少なかったが、カウンターで試合を優位に進めようとする相手に対して、ボールを奪えないまでも二度追い、三度追いと食い下がり、全速力でプレスバックして、体を張り続けた。

3失点目を喫した後の82分に浴びたカウンターでは、目の前を斜めに走り抜けた仙台DF髙田椋汰を、追いつけない距離でも追いかけ続けた。背後にはガブリエル ゴメスがカバーに入っていたが、スピードを緩めず、ペナルティエリアまで戻る。結局、スルーパスの球足が伸びて、出てきたGK山本透衣がセーブ。4失点目は許さなかった。

「“これは間に合わないな”と思っても、最後まで戻ることで、自分の姿が相手の視界に入ってミスさせる可能性もあります。やっぱり、あきらめたらいけないと思います。

それから攻撃でも守備でも、前の選手が出ていったら、後ろもしっかりついていかないといけない。今、少し連動し切れていないのを感じます。全体でパワーを持って戦うことが、自分たちはまだまだできていないです」


今治に戻らず、Jヴィレッジで調整して臨んだ秋田戦。ロングボールを軸に、パワフルに押してくる秋田に応戦しつつ、0-0で迎えた終盤の88分、右CKから痛恨の失点。0-1の苦杯となった。

ゴール前の密集から今治GK立川小太郎の背後を回られ、ニアに走り込んだ秋田DF才藤龍治に頭ですらされて、鈴木翔大に頭で押し込まれたのだが、最後まで才藤に付いていったのが、1分前に途中交代で投入された近藤だった。

最後まで食い下がっても、報われないこともある。勝負の厳しさが垣間見えた瞬間だった。

だが東北遠征の連戦で、限られた時間ではあるものの、そのプレーが体現したエネルギーこそ、チームが浮上するには必要だ。仙台戦を前に久保山由清監督は、難敵に勝つには「熱量で上回らなければならない」と語っていた。最後の最後まで、あがく。

自分たちはアンダードッグではない。嚙ませ犬でも、負け犬でもない。そのことを全員で体現し続けなければ、この先の道はない。勝ちたい気持ちをあきらめない。

Reported by 大中祐二