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【取材ノート:福岡】「チームを助けられる選手になりたい」。左右両サイドを疾走する山脇樺織

2026年7月21日(火)


7月19日、宮崎キャンプでの最後のトレーニングマッチとなったFC大阪戦(45分×3本。〇3-2)で山脇樺織は3本目、左右のWBで45分間プレーし、チーム2点目となるゴールを挙げた。

17分、右サイドから対角にロングフィードが飛ぶ。左WBの背番号33は、自慢の走力を活かしてボールを受けると迷わず縦へ。力強く相手の前に出て、利き足とは逆の左足を振り抜き、ゴールに突き刺した。

「何が何でも結果でアピールしたい」

ゴール直後に上げた大きな雄叫び。ここまで彼が胸に抱えていた危機感を考えれば、納得の感情表現だった。

昨シーズン、J3の北九州から加入した山脇は、以前、『【取材ノート:福岡】J1の舞台で輝くために山脇樺織が胸に抱く強い反骨心』で書いたようにJ1のレベルにフィットするのに苦労し、9試合の出場、1アシストにとどまった。

「覚悟を持ってこのチームで戦う」と臨む今シーズンもここまで思ったようなアピールができない日々。チーム内の序列を上げるために「何が何でも」と意気込み、この日見せた自身の特徴である縦突破からのゴールは、山脇にとって一つ自信につながる結果となった。

さらに、それが本職の右サイドではなく、左サイドで挙げた得点ということも今後につながる大きなアピールとなった。

「左サイドを昨シーズン1回やった時に、練習試合でアシストしていたので良い感触はあって、なのでこっちのサイドでも縦、縦というところを出そうと思った」と話すように5月の福岡大学とのトレーニングマッチでは左WBでプレー。スピードに乗って相手の背後に抜け出した山脇は、左足のクロスで道脇豊(現:いわき)のゴールをアシストした。「僕の特徴が裏抜けだったので、どんどん出せということで。このチームに来て今回初めて左(WB)だったんですけど、ギラヴァンツ北九州の時も左サイドをやっていましたし、仕掛けるところだったり、中へのコンビネーションの入り方というのはやっぱり左もやりやすい」と試合直後に好感触を示していた。

だが、前嶋洋太や橋本悠、藤本一輝ら左WBのライバルは多く、明治安田J1百年構想リーグでプレーすることはなかった。それでも塚原真也監督は、今シーズンもそのポジションでの山脇の起用の可能性を探り続けている。

「一つは、右利きであれだけ走れる選手なので、内側に自然と入っていく走力は出ると思います。彼の良さというか、自然とそういうものが出るのかなと思っていました。もともと走れる選手なので、右左両方やれると思います。どちらかというと右ですけども、今日(FC大阪戦)は右でもコンディションが良くて上がってきている選手がいたので、同時に使うとなった時に(山脇)樺織を左でやってもらったという流れです」

もちろん、開幕してから実際に左サイドで起用されるかは不透明。ただ、今シーズンの個人的な目標を「まず試合に出る。昨シーズンなかった連続出場」と話す山脇にとって塚原監督が「一つのポジションよりも二つの(ポジションをやれる)ほうがいい」と言うように長丁場のシーズンにおいて、複数のポジションでプレーできることは、出場機会を増やしていく上で大きなアドバンテージになる。

百年構想リーグとは違い、昇降格のある今シーズン。よりシビアな戦いになることが予想される中で「とにかく、攻守にわたってチームの助けになるようなプレー。攻撃だけでなく、守備で最後に足を伸ばしてやらせないとか、そういう一つひとつが勝点につながると思いますし、今シーズンはより一層、そういうのが大事になると思うので、もっとこだわってチームの助けになるような選手になりたい」と意気込む。

福岡の攻撃の特徴の一つがサイドアタック。チームの課題である得点力向上へWBとして「ウイングがボールを持った時に逆サイドのウイングがゴールを取るという形は、このチームのキーというか、調子が良い時はできる形だと思うので、そこをもっともっと狙っていって貪欲にゴールに向かっていきたい」と考え、「(パスを)出したら潜っていくというか、外だけじゃなく中に入っていくというのは今シーズンもっともっと求められることだと思うので、そこにもっとフォーカスを当てて、縦、縦じゃなくて中もやっていけたら」と自身のプレーの幅を広げる模索もしている。

福岡の両翼を担う山脇は、チームを助けられる選手になるべく、研鑽を積む。

Reported by 武丸善章